歯が半透明なのはなぜ?その理由や治療法を解説
2025/04/20

こんにちは、大府市(愛知県)の歯医者、斎藤歯科医院です。
「前歯の先端が半透明になってきた気がする」
「歯が透けているような気がするけど治療したほうがいいのだろうか」
歯が半透明になってきた場合の原因の多くは、酸蝕歯もしくはエナメル質形成不全です。
酸蝕歯やエナメル質形成不全ではなぜ歯が半透明になるのか、どのような原因があるのか、そしてどのような治療法があるのかを解説します。
歯が半透明になる2つの理由
酸蝕歯

酸蝕歯は、酸の影響でエナメル質が溶けることにより、歯が薄くなり透けるように見える現象です。
エナメル質とは、歯の表面を覆う非常に硬い層であり、その役割は歯を保護することです。
エナメル質が薄くなると、内部の象牙質が透けて見えるようになり、歯先端部分が特に透明感を増していきます。
酸蝕歯の初期段階の症状としては、知覚過敏があります。
見た目にも、歯の表面が丸みを帯び、歯が黄色く見えるようになったと感じることがありますが、これはエナメル質が薄くなっているために象牙質が透けて見えているからです。
症状が進行すると、歯の表面に小さなくぼみができたり、知覚過敏が悪化して冷たいものや熱いものを食べる際に強い痛みを感じたりするようになります。
酸蝕歯の原因

酸蝕歯の主な原因の一つは、柑橘類、ワイン、炭酸飲料、酢を多く含んだ食品の摂取です。
これらの飲食物には強い酸性成分が含まれており、歯のエナメル質を溶かす原因となります。
また、飲み物や食べ物を摂取してそのまま寝てしまうことも、酸が口内に長時間残るため酸蝕歯の原因になります。
加えて、唾液の少ない人は酸を洗い流す力が弱く、口内の酸濃度が高い状態が続くことになるため、酸蝕歯のリスクが高くなります。
さらに、疾病や特殊な生活環境によって頻繁に嘔吐を伴うことも、酸蝕歯の原因になり得ます。
例えば逆流性食道炎やほかの消化器系の疾病は、唾液や胃酸が頻繁に口内に逆流し、エナメル質を侵食します。
また、拒食症などで嘔吐を繰り返す方々は、歯が酸に晒されやすく、酸蝕歯のリスクが高くなります。
酸蝕歯の対処法

酸蝕歯の初期段階であれば、セルフケアにより症状の軽減が見込めます。
方法としては、酸性の強い食品をできるだけ避け、食後には欠かさず歯磨きを行いましょう。
歯磨きをすることが難しい場合には、うがいだけでもしておくことが大切です。
また、フッ素は歯の再石灰化を促し、エナメル質を強化する作用があるため、歯磨き粉はフッ素入りを使用すると酸蝕歯の進行を防ぎやすくなります。
酸蝕歯の治療法

酸蝕歯の症状が進行している場合には、セルフケアだけでは改善が難しくなります。
歯科医院では、まずフッ素塗布によって歯の強化を図り、症状が重度の場合には詰め物や被せ物によって歯を補修します。
損傷が限られた範囲にとどまる場合は、コンポジットレジンを用いることが多いですが、より広範囲である場合は、被せ物を用いて全面的に修復します。
酸蝕歯の予防法

酸蝕歯の予防は、酸性食品の摂取後の口腔ケアや、バランスの取れた食生活がポイントです。
まず重要なのは、歯磨きのタイミングです。
酸性の食べ物や飲み物を摂取した直後は、歯のエナメル質が一時的に柔らかくなっています。
このタイミングでの歯磨きは、エナメル質を傷つける恐れがありますので、まずは口の中を水やお茶でうがいすることで中和し、15分~30分ほど待ってから歯磨きを行いましょう。
次に、食生活の改善も酸蝕歯予防のポイントです。
酸性度の高い食品や飲料を頻繁に摂取することは、酸蝕歯のリスクを増大させます。
嗜好品や食事内容を見直し、摂取頻度を減らすことを心がけましょう。
また、カルシウムやリンを多く含む食品は、歯の再石灰化を助ける働きがあるため、意識的に取り入れましょう。
牛乳やヨーグルト、緑黄色野菜などを率先して摂り、栄養バランスを整えることで、歯の健康を維持しやすくなります。
さらに、唾液には酸を中和する作用があり、口腔内のpHバランスを整える役割を持っています。
そのため、ガムをかむことなどにより唾液の分泌を促すのは、酸蝕歯のリスク軽減につながります。
エナメル質形成不全

エナメル質形成不全は、歯のエナメル質が正常に形成されず、通常よりも薄い状態です。
特に、前歯や奥歯(6歳臼歯)にその症状が多く現れることが知られています。
エナメル質が薄いと、内部の象牙質が露出しやすくなり、歯が半透明に見えることが多くなります。
軽度のエナメル質形成不全では、歯が部分的に透けて見える程度ですが、重度になるとクレーターのような凹みや欠けが見られることがあります。
これにより、知覚過敏の問題が発生しやすく、さらには見た目の印象も損なわれることがあります。
エナメル質形成不全の原因
エナメル質形成不全の原因は大部分が先天的なもので、遺伝的な要素が強く影響しています。
また、発育期における栄養不足や特定の薬剤の影響、さらには外傷による局所的な要因も、エナメル質形成不全に影響していると考えられています。
妊娠中の栄養管理やデンタルケアなどが予防につながりますが、完全に防ぐことは難しいため、早い段階での発見と対策が必要です。
エナメル質形成不全の対処法

軽度のエナメル質形成不全に対しては、定期的なフッ素塗布が行われます。
さらに、定期的にクリーニングを行うことで、歯の表面の汚れを除去し、口内環境を整えます。
エナメル質形成不全の治療法
重度のエナメル質形成不全に対しては、より専門的な治療が必要になります。
例えば象牙質がむき出しになっている場合には、レジンを使ってコーティングを行い、歯を保護します。
前歯のように審美性が重要な部位に対しては、被せ物での治療が選ばれることもあります。
その場合、より自然で美しい仕上がりにするために、素材はセラミックを選ぶことが多くなっています。
まとめ

歯が半透明に見える原因には、酸蝕歯やエナメル質形成不全などがあります。
先天的な場合のほか、生活習慣や健康状態と深く関わっている場合も多いため、早期発見と早めの対応が大切です。
小さなサインも見逃さず、迅速に対処することで、口内の健康を守っていきましょう。
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