子どもの口呼吸と「口唇閉鎖不全」のチェックポイントを解説
2026/05/10
こんにちは、大府市(愛知県)の歯医者、斎藤歯科医院です。
口がよく開いている、食事中にクチャクチャと音を立てる、いびきをかく。
お子さんにそういった様子がある場合、口呼吸や口唇閉鎖不全のサインかもしれません。
口唇閉鎖不全とは、安静時に上下の唇を自然に閉じることができない状態です。
それにより、口呼吸になっている場合もあります。
今回は、子どもの口呼吸と口唇閉鎖不全について、チェックポイントや原因、影響、対処法を解説します。
口呼吸とは
口呼吸とは、文字通り口で呼吸をすることです。
鼻には、空気を温め、湿らせ、フィルターにかけるという機能があるため、鼻呼吸であれば鼻毛や粘膜によって、空気中のほこりや細菌、ウイルスなどの異物が取り除かれたきれいな空気が肺に送られます。
一方、口呼吸では、これらの機能が働きません。
冷たく乾燥した空気がそのまま喉や肺に入るため、風邪をひきやすくなったり、喉を痛めたりするリスクがあります。
また、口呼吸は口腔内を乾燥させるため、唾液の自浄作用が低下し、虫歯や歯周病、口臭のリスクも高めてしまいます。
口唇閉鎖不全とは
口唇閉鎖不全とは、安静時に上下の唇を自然に閉じることができない、または閉じるために意識的な努力が必要な状態です。
わずかに唇が開いている程度から、常に大きく口が開いている状態まで、程度はさまざまです。
軽度の場合、本人や保護者の方でも気づかないことがあります。
口唇閉鎖不全は、口呼吸の原因にも、結果にもなります。
鼻づまりなどで口呼吸が始まり、それが習慣化すると、口周りの筋肉が弱くなり、口唇閉鎖不全が生じます。
逆に、生まれつき唇の筋力が弱かったり、歯並びの問題で唇が閉じにくかったりすると、口呼吸が習慣化します。
口呼吸のチェックポイント
テレビを見ているときや勉強しているときなど、集中しているときに口がきちんと閉じられているかを確認してみましょう。
無意識の状態で口が開いていれば、口呼吸の可能性があります。
また、寝ているときに口が開いている、いびきをかいている、よだれが多い場合も口呼吸のサインです。
そのほか、食事の際にクチャクチャと音を立てている、口を開けたまま噛む、飲み込むときに音がする、といった様子が見られる場合も、口呼吸が関係している可能性があります。
また、鼻の状態も確認しましょう。
鼻がつまっている、鼻水が多い、鼻をよくすするといった症状がある場合、鼻呼吸が困難で口呼吸になっている可能性があります。
口唇閉鎖不全のチェックポイント
唇が常に開いている、または半開きの状態であれば、口唇閉鎖不全の可能性があります。
また、お子さんに唇を閉じるように指示したときの様子もチェックポイントです。
唇を閉じるときに、あごに力が入って梅干しのようなシワができる場合、口輪筋という唇の周りの筋肉が弱く、力を入れないと口を閉じられない可能性があります。
口呼吸の主な原因
鼻づまり
子どもの口呼吸の原因として多いのが、鼻づまりです。
鼻がつまって鼻呼吸ができないため、口呼吸をするようになります。
風邪やインフルエンザなどの感染症、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、アデノイドや扁桃腺の肥大など、鼻づまりの原因がある場合、まずは耳鼻咽喉科を受診し必要な治療を受けることが重要です。
鼻づまりが改善されれば、自然と鼻呼吸に戻る可能性があります。
歯並びや骨格の問題
歯並びやあごの骨格の問題も、口呼吸や口唇閉鎖不全の原因となります。
例えば出っ歯の場合、上の前歯が前方に突出しているため、唇を閉じにくくなります。
開咬という、前歯が噛み合わない状態も同様です。
また、下顎が小さい、後退している場合も、口呼吸につながります。
口呼吸が続くと、舌の位置が下がり、上顎の成長が不十分になります。
その結果、歯列が狭くなり、歯並びが悪くなるという悪循環が生じます。
口周りの筋力低下
口輪筋は、唇を閉じたり、突き出したりする動きをコントロールするための唇の周りを取り囲む筋肉です。
この筋肉が弱いと、唇を閉じておく力が足りず、口が開いた状態になります。
口呼吸が与えるリスク
歯並びへの影響
鼻呼吸をしている場合、舌は上顎の口蓋に自然に接触しており、この舌の圧力が上顎の成長を促す刺激となります。
しかし、口呼吸では舌の位置が下がり、上顎への刺激がなくなります。
その結果、上顎が十分に横に広がらず、狭くなります。
狭い歯列では、すべての歯が並ぶスペースが不足し、歯が重なったり、ずれたりします。
顔の形態への影響
口呼吸が長期間続くと、顔が縦に長く見える、鼻の下が長い、上唇が薄く短い、下顎が後退している、口元が突出しているなどの特徴を持つ、アデノイド顔貌になりやすくなります。
これらの顔面の変化は骨格の問題のため、矯正治療だけでは改善に限界があります。
場合によっては外科的な治療が必要になることもあるため、成長期の早い段階で口呼吸を改善し、正常な成長パターンを促すことがとても重要です。
睡眠と集中力への影響
口呼吸をしていると、睡眠中にいびきをかいたり、無呼吸の状態になったりすることがあります。
これは、舌が後方に落ち込んで気道を塞ぐためです。
睡眠時無呼吸症候群という病態になると、睡眠中に何度も呼吸が止まり、十分な酸素が体に供給されなくなり、睡眠の質が著しく低下します。
免疫力と健康への影響
鼻呼吸では空気中の異物がフィルターにかけられますが、口呼吸ではそのまま体内に入ります。
その結果、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。
また、口腔内の乾燥により、唾液の自浄作用が低下し、虫歯や歯周病、口臭のリスクが高まります。
口呼吸の治療法
耳鼻咽喉科での治療
口呼吸の原因が鼻づまりやアデノイド肥大などにある場合、耳鼻咽喉科での治療が必要です。
抗アレルギー薬や点鼻薬による治療、必要に応じて手術が検討されます。
歯科医院での治療とトレーニング
歯並びの問題がある場合は、矯正治療が検討されます。
成長期の子どもであれば、あごの成長を利用した一期治療が可能です。
拡大床という装置で上顎を横に広げたり、機能的矯正装置であごのバランスを整えたりします。
口周りの筋力を強化するために、MFT(筋機能療法)が行われることもあります。
家庭でできる対策
家庭でできる口呼吸対策としては、まずはお子さんに鼻呼吸の重要性を説明し、意識させることが第一歩です。
そのほか、乾燥した環境では、鼻の粘膜が乾いて鼻づまりが悪化しやすいため、室内の湿度を保つことも重要です。
また、アレルゲンの除去も重要です。
こまめな掃除、寝具の洗濯、空気清浄機の使用などで、ハウスダストやダニを減らしましょう。
まとめ
子どもの口呼吸と口唇閉鎖不全は、歯並びや顔の形態、睡眠の質、集中力、免疫力など、さまざまな面で健康に影響を及ぼします。
対処法としては、耳鼻咽喉科での治療、歯科医院での矯正治療や筋機能療法などがあります。
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