子どもの「過剰歯」はいつ抜くべき?そのままにしておくデメリットと抜歯のタイミングを解説

      2026/10/10

大府市(愛知県)の歯医者、さいとう歯科こども矯正歯科で子どもの「過剰歯」はいつ抜くべき?そのままにしておくデメリットと抜歯のタイミングを解説

こんにちは、大府市(愛知県)の歯医者、さいとう歯科こども矯正歯科です。

歯科医院で「お子さんに過剰歯がある」と言われたら、保護者の方は不安を覚えるのではないでしょうか。
「抜歯が必要?」「放っておいても大丈夫?」など、次々と疑問が浮かぶかと思います。

お子さんの歯並びや健全な成長を守るためには、過剰歯に対する正しい知識と適したタイミングでの処置が不可欠です。
今回は、過剰歯の基本情報や原因、放置するリスクなどを解説します。

 

子どもの過剰歯(かじょうし)とは?定義と種類・発生部位

過剰歯とは、本来生えてくる歯の本数を超えて形成された歯のことです。
過剰歯の定義や見つかりやすい時期、発生しやすい部位などを解説します。

 

本来の歯の本数と過剰歯の定義

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人間の歯の本数は、乳歯が合計20本、永久歯は親知らず(第三大臼歯)を含めて32本です。この本数よりも多く作られた歯が「過剰歯」と呼ばれます。

過剰歯は1本だけでなく、複数本見つかることもあります。大きさや形状も、正常な歯に近い形をしているものから、円錐形、樽型、杭状といった変形した歯までさまざまです。

 

過剰歯が見つかる時期と発見のきっかけ

過剰歯の多くは、歯科医院での定期検診や虫歯治療の際に行うレントゲン撮影で偶然発見されます。
特に前歯が生え替わる6〜8歳頃は、歯科検診でレントゲン撮影を行う機会が増えるため、過剰歯が見つかりやすい時期です。

 

発生部位による分類

過剰歯は、口内のさまざまな場所に発生します。発生する部位によって名称や周囲への影響が異なります。

上顎前歯部
過剰歯が多く発生するのが、上の前歯の間です。ここにできた過剰歯を「正中過剰歯(せいちゅうかじょうし)」と呼びます。後に生えてくる永久歯の萌出を物理的に妨げたり、歯並びを大きく乱したりする原因になりやすい部位です。

上顎臼歯部・下顎
正中部に次いで見られるのが、上の奥歯の周囲です。親知らずのさらに奥に発生するものは「第四大臼歯」と呼ばれることもあります。

 

過剰歯が発生する主な原因

過剰歯が作られる理由はまだ解明されていませんが、いくつかの説が考えられています。

 

遺伝的要因

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過剰歯の発生に、遺伝的要素が関係している可能性があります。
親族に過剰歯がある人がいる場合、お子さんにも過剰歯が形成されやすい傾向です。歯の形成に関わる遺伝子の働きが影響していると考えられています。

 

歯胚の分裂・過剰増殖

歯は、お母さんのお腹の中にいる胎児期に「歯胚(しはい)」と呼ばれる歯の卵から作られます。
この歯胚が形成される過程で、何らかの理由により2つに分裂したり、過剰に増殖したりすることで余分な歯が生み出されている可能性があります。

 

過剰歯をそのまま放置するリスクとデメリット

「痛みがないから」「見えないから」という理由で過剰歯を放置してしまうと、成長期のお子さんのお口の健康に悪影響を及ぼすおそれがあります。
主なデメリットは以下の通りです。

 

永久歯の萌出障害(生えてこない・歪んで生える)

過剰歯によって起こり得る問題の一つが、本来生えてくるべき永久歯の萌出が妨げられることです。
特に上の前歯付近に過剰歯があると、永久歯の通り道を塞いでしまい、前歯が生えてこない原因になります。

通り道を塞がれた永久歯は、骨の中で動けないまま「埋伏歯」となってしまうリスクがあります。
永久歯が埋まったまま放置されると、将来的に歯ぐきを切開して矯正装置で引っ張り出す牽引治療が必要になるなど、処置が複雑化してしまいます。

 

歯並び・噛み合わせの乱れ(すきっ歯・歯列の歪み)

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過剰歯が周囲の歯を押し出すことで、永久歯が生える位置がずれたり、傾いて生えたりすることがあります。
特に正中過剰歯は、前歯の間に大きな隙間が開く「正中離開」を引き起こします。過剰歯を取り除かない限り、根本的な解決には至りません。

 

隣接する永久歯の「歯根吸収」

骨の中に埋まっている過剰歯が、すぐ隣にある永久歯の根(歯根)に接触・圧迫していると、永久歯の根が少しずつ溶けて短くなっていく「歯根吸収」が起こることがあります。
歯根が削られて短くなると、歯を支える力が低下し、その歯の寿命が短くなります。歯根吸収は自覚症状がないまま進行するため、定期的なレントゲン検査で早期に発見することが重要です。

 

嚢胞の形成と骨の破壊

埋伏した過剰歯を長期間放置すると、過剰歯の周りを包む膜の中に液体が溜まり、「含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)」という袋状の病変が作られることがあります。

嚢胞は時間の経過とともに徐々に大きくなり、周囲のあごの骨を溶かして広がっていきます。
大きくなると隣接する歯の移動や歯根吸収を引き起こしたり、骨吸収によってあごの骨の強度が低下したりするため、摘出範囲が広がり、手術の負担が増大します。

 

口腔衛生の悪化(虫歯・歯周病リスクの増大)

萌出した過剰歯が正常な歯列から外れた場所に生えてくると、歯ブラシが届きにくい複雑な隙間ができてしまいます。
食べかすやプラーク(歯垢)が溜まりやすくなり、周囲の歯が虫歯や歯周病にかかるリスクが高まります。

 

審美的な問題と心理的ストレス

前歯の間に過剰歯が見えていたり、過剰歯の影響で前歯が大きくねじれて生えていたりすると、見た目が気になって上手く笑えなくなるなど、お子さんの心理的なストレスになることがあります。

 

抜歯が必要なケース・経過観察でよいケース

すべての過剰歯を今すぐ抜かなければならないわけではありません。
お子さんの年齢や過剰歯の位置、周囲への影響を考慮して治療方針を決定します。

 

抜歯が推奨されるケース

以下のような状況が認められる場合は、将来的なリスクを回避するために抜歯を行うのが一般的です。

永久歯が生えてくるのを明らかに邪魔している場合

隣の永久歯の根を圧迫し、歯根吸収を引き起こしている(またはそのリスクが高い)場合

過剰歯の周りに嚢胞が形成されている場合

歯並びを乱したり歯磨きを邪魔したりしている場合

将来的に歯列矯正を行う予定があり、過剰歯がその妨げになる場合

特に、永久歯の発育や萌出を直接的に阻害している場合は、抜歯が望まれます。

 

経過観察が選択されるケース

一方で、以下のような条件が揃っている場合は、定期的なレントゲン撮影を行いながら経過を観察することがあります。

永久歯の萌出や歯並び、周囲の骨・歯根に悪影響を与えていない場合

過剰歯が骨の深い場所にあり、生えてくる気配がない場合

過剰歯の位置が、神経や重要な血管、歯根に近く、抜歯を行うと周囲の組織を傷つけるリスクが高い場合

お子さんがまだ小さく、治療に対する恐怖心が強くて処置が難しい場合

このような場合も、成長とともに過剰歯の位置や周囲の状態が変化するため、数か月〜1年ごとに経過を観察する必要があります。

 

子どもの過剰歯を抜歯するタイミングと判断基準

過剰歯の抜歯時期については、お子さん一人ひとりの成長段階や過剰歯の状態に合わせて慎重に決定されます。

 

早期抜歯(6歳〜8歳頃)

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永久歯への影響が明らかな場合、前歯が生え替わる6歳〜8歳頃の早期に抜歯を行うケースが多く見られます。

早期抜歯のメリット

永久歯の萌出障害を未然に防ぎ、自然に正しい位置へ生えてくる可能性を高められる

あごの骨がまだ柔らかいため、骨の削合量が少なく済み、術後の回復が早い

悪影響が出る前に原因を取り除けるため、将来的な矯正治療の負担を軽減できる


早期に障害となっている過剰歯を取り除くことで、永久歯が持つ「生えようとする力」を生かすことができます。

 

永久歯の歯根完成を待つ場合

一方で、あえて時期を遅らせる判断をとることもあります。
過剰歯のすぐ近くにある永久歯の根(歯根)がまだ形成途中である場合、無理に手術を行うと発育中の永久歯の根を傷つけてしまうリスクがあるためです。
このような場合は、永久歯の根がある程度伸びてから抜歯を行います。過剰歯によるリスクと、手術によるリスクのバランスを比較検討することが重要です。

 

過剰歯の抜歯手術の流れと術後の経過

実際に抜歯を行うことになった場合の手順や、術後の注意点について解説します。

 

術前検査と歯ぐきの切開

骨の中に埋まっている埋伏過剰歯を取り出す手術は、段階を踏んで慎重に進められます。
まずはレントゲンや歯科用CTを用いて精密検査を行い、過剰歯の立体的な位置や周囲の神経、隣接する歯との距離を確認します。
実際の処置では、麻酔を施した上で、過剰歯が存在する部位の歯ぐきを慎重に切開し、骨の表面を出していきます。

 

骨の削合と過剰歯の摘出

歯ぐきを切開した後は、過剰歯を覆っている骨を削り、過剰歯を露出させて摘出を行います。
過剰歯が大きい場合や周囲に引っかかっている場合は、歯を分割して取り出すこともあります。
無事に過剰歯を取り除いた後は、内部を洗浄し、切開した歯ぐきを糸で縫い合わせて手術は終了です。
なお、すでに歯ぐきから顔を出している萌出過剰歯の場合は、通常の抜歯とほぼ同様の手順で取り除くことができます。

 

術後の経過と自宅でのケア

手術を受けた当日から数日間は、処方された鎮痛剤や抗生剤を指示通りに正しく服用していただく必要があります。
食事の際は、術後数日は硬いものや刺激物を避け、反対側の歯で優しく噛むようにします。
口内を清潔に保つことも大切ですが、傷口を歯ブラシで強く擦ったり、ゆすぎ過ぎたりしないよう注意が必要です。出血が止まらない場合や激しい痛みが続く場合は、速やかに歯科医院へ連絡してください。

 

まとめ

子どもの「過剰歯」は、放置すると永久歯が生えてこなくなったり、歯並びが大きく乱れたり、隣の歯の根を傷つけたりと、さまざまな影響を及ぼす可能性があります。
抜歯のタイミングは、早期に行うのが良いケースもあれば、成長を待ってから行うのが良いケースもあり、お子さん一人ひとりの状態に応じた個別の判断が必要です。
まずは小児歯科や歯科口腔外科を受診し、丁寧な精密検査とカウンセリングを受けることから始めましょう。

 



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