矯正治療は医療費控除の対象になる?申請できる条件と手続きの方法を解説

      2026/08/20

大府市(愛知県)の歯医者、斎藤歯科医院で矯正治療は医療費控除の対象になる?申請できる条件と手続きの方法を解説

こんにちは、大府市(愛知県)の歯医者、斎藤歯科医院です。

「歯並びを整えたいけれど、費用が高くて一歩を踏み出せない」
「矯正費用を、少しでも抑える方法はないのだろうか」

このように、歯列矯正の費用面でお悩みの方は少なくありません。
自由診療の矯正治療は基本的に全額自己負担となるため、経済的な負担を軽減したいと考えるのは自然なことです。

そのような場合に活用できる負担軽減策の一つに「医療費控除」があります。
しかし、矯正治療のすべてが医療費控除の対象として認められるわけではありません。
どのような条件を満たせば対象になるのか、具体的な手続きはどうすればよいのか、不安に思う方も多いかと思います。

今回は、医療費控除の基本的な仕組みから、矯正治療が対象になる具体的なケースと対象外になるケース、確定申告の手続き方法、通院にかかる交通費の扱いなどを詳しく解説します。

 

医療費控除の基本的な仕組み

矯正治療は医療費控除の対象になる?申請できる条件と手続きの方法を解説

医療費控除とは、1年間に支払った医療費の合計が一定の基準額を超えた場合に、その超えた分の金額を所得から差し引く(控除する)ことができる制度です。
確定申告を通じて申請を行うことで、すでに納めた税金(所得税)の一部の還付を受けられたり、翌年の住民税の負担が軽減されたりします。
ご自身だけでなく「生計を一にする家族(共に生活している配偶者や子ども、扶養している親族など)」の分も世帯単位で合算して申請することができます。

医療費控除として所得から差し引くことができる金額は、「支払った医療費の合計額 − 保険金などで補填された金額 − 10万円(その年の総所得金額が200万円未満の場合は総所得金額の5%)」の計算式によって算出されます。
上限額は200万円です。

例えば、年間に支払った家族全員の医療費合計が80万円で、生命保険などからの給付金がなかった場合、10万円を差し引いた70万円が医療費控除の対象額(所得から差し引ける金額)となります。
70万円がそのまま戻ってくるわけではなく、この70万円に支払う方の所得税率を掛けた金額が、所得税の軽減額の目安となります。

医療費控除の対象として認められるのは、原則として「疾病(病気)の治療や療養のために支払った費用」に限られます。
具体的には、医師や歯科医師による診療費・治療費、治療のために必要となった医薬品の購入費用、病院や歯科医院へ行くための交通費(公共交通機関)、治療に必要な医療用器具の費用などです。

対象外となるのは、健康維持や病気予防のためのサプリメント購入費、美容を目的とした整形手術や審美的な施術費用などです。
見た目を美しくすることだけを目的としたものは原則として対象外となるため、矯正治療においては「機能の改善を目的とした治療であるかどうか」が重要な分かれ道となります。

 

矯正治療が医療費控除の対象になるケース

大人の矯正治療であっても子どもの矯正治療であっても、共通する判断基準は「咀嚼や発音などの機能障害を改善するための医療行為として必要性が認められるか」という点にあります。
以下のようなケースでは、医療費控除の対象として認められる可能性が高くなります。

 

発育段階にある子どもの歯列矯正

矯正治療は医療費控除の対象になる?申請できる条件と手続きの方法を解説

子どもの歯列矯正は、成人の矯正に比べて医療費控除の対象として認められやすい傾向にあります。
これは、成長期における顎の骨の発育異常や、歯並びの噛み合わせの乱れは、将来的な咀嚼機能の低下、発音障害、あるいは体全体の健康バランスの悪化につながるリスクがあり、子どもの矯正は「健康な成長発育のために医学的な必要性がある治療」と判断されるためです。
ただし、子どもであっても「機能的には何の問題もないが、見た目だけを整えたい」といった審美目的の治療とみなされる場合は対象外となります。

 

咬合機能の改善を目的とした大人の矯正治療

成人の矯正治療は、以下のような「咬合(噛み合わせ)の機能障害」があり、歯科医師が治療の必要性を認めた場合は医療費控除の対象になります。

歯並びが悪いために食べ物をうまく咀嚼できず、消化器官に負担がかかっている場合

噛み合わせの不調が原因で発音に明らかな支障が出ている場合

噛み合わせのズレにより、顎関節症を引き起こしている、または顎関節へ負担がかかっている場合

歯列の乱れのせいで一部の歯に過度な力が集中し、将来的に歯を失うリスクが高いと判断される場合

治療法・対処法

成人の場合は、確定申告の際に税務署から「治療の必要性を証明する診断書」の提出を求められることがあります。
通院している歯科医院で「正当な機能改善を目的とした治療である」という旨の診断書を発行してもらうことで、医療費控除の手続きをスムーズに進めることが可能となります。

 

外科的な問題と組み合わせた矯正治療

矯正治療は医療費控除の対象になる?申請できる条件と手続きの方法を解説

顎の骨の形や大きさに異常があり、噛み合わせが大きくズレている「顎変形症(がくへんけいしょう)」などの場合、通常の矯正治療だけでは改善が困難なため、外科手術を伴う矯正治療が行われます。
厚生労働省が定める施設基準を満たした医療機関において、顎変形症や特定の先天性疾患(唇顎口蓋裂など)に起因する咬合異常に対して行われる矯正治療は、健康保険が適用されます。
このように健康保険が適用される矯正治療の自己負担分についても、医療費控除の対象として含めることができます。

 

矯正治療が医療費控除の対象外になるケース

一方で、矯正治療の内容や目的によっては、医療費控除の対象として認められないケースもあります。

 

見た目の改善のみを目的とする成人矯正

「歯並びの見た目を良くして、口元の印象を整えたい」という、美容を主目的とした成人の矯正治療は、医療費控除の対象外と判断される場合が多いです。
しかし、「見た目の改善」と「噛み合わせなどの機能改善」は表裏一体であることがほとんどです。
ご自身では機能的な問題はないと思っていても、精密検査を行うと機能障害が見つかるケースもあります。

医療費控除が適用できるかどうかは、担当する歯科医師による詳細な診断や、診断書の記載内容が基準となりますので、まずは歯科医師へ相談することが大切です。

 

美容目的のホワイトニングや審美治療との組み合わせ

矯正治療は医療費控除の対象になる?申請できる条件と手続きの方法を解説

機能改善を目的とした矯正治療を受けている場合であっても、その治療と同時に、医療上の必要性がない「ホワイトニング」や「セラミック治療」などを行った場合、その美容にかかった費用部分については医療費控除の対象から除外しなければなりません。
確定申告の際には、医療目的の矯正費用と、審美目的の美容費用を区別して把握しておく必要があります。

 

保険金や給付金で補填された部分

民間の生命保険や医療保険の特約などから、矯正治療やそれに関連する手術に対して給付金・一時金などを受け取った場合、その受け取った金額は支払った医療費の合計額から差し引いて計算しなければなりません。

 

医療費控除の申請手続きと通院交通費の扱い

医療費控除を利用するためには、ご自身で必要書類を揃えて確定申告を行う必要があります。

 

必要な書類の準備と領収書の保管

医療費控除を申請する際には、主に以下の書類を準備します。

確定申告書
国税庁のウェブサイトやe-Taxを利用する場合は、画面の指示に従って入力することで自動的に作成できます。書面で提出する場合は、税務署の窓口で入手するかダウンロードします。

医療費控除の明細書
医療を受けた人の氏名、病院・歯科医院の名称、支払った医療費の額、保険金などで補填された額を記載する書類です。

歯科医師の発行した診断書
成人の矯正治療において、税務署から提出を求められた場合に添付します。

※現在、確定申告の際に領収書そのものを税務署へ提出・添付する必要は原則としてありません。
ただし、明細書の記載内容に間違いがないか税務署から確認を求められることがあるため、治療費の領収書は確定申告の期限から5年間、自宅などで大切に保管する義務があります。
※治療費を分割払いで支払っている(医院の窓口での分割払いなど)場合は、実際にその年に窓口で支払った金額分だけがその年度の医療費控除の対象となります。

 

申告の期間と提出方法

確定申告の期間は、原則として毎年2月16日から3月15日までです。
ただし、会社の年末調整を終えている給与所得者(サラリーマンなど)が、医療費控除による税金の還付だけを受ける「還付申告」を行う場合は、上記の確定申告期間に関わらず、対象となる年の翌年1月1日から5年間であればいつでも提出することができます。

提出方法には以下の3つの方法があります。

e-Taxによる電子申告
自宅のパソコンやスマートフォンから、マイナンバーカード等を利用してオンラインで24時間いつでも送信できます。

税務署への書面提出
作成した確定申告書と明細書を、お住まいの地域を管轄する税務署へ郵送するか、直接窓口へ持参します。

税務署の相談窓口での申告
開設される確定申告会場に足を運び、職員のアドバイスを受けながらその場で作成・提出します。

 

通院にかかる交通費の計上ルール

医療費控除の対象には、歯科医院の窓口で支払う治療費だけでなく、通院のために支出した交通費も含めることができます。
矯正治療は数か月から数年にわたり、定期的な通院が必要となるため、これらもしっかりと計上しましょう。

対象になるもの
電車やバスなどの公共交通機関の運賃。幼い子どもの矯正治療に保護者が付き添う必要がある場合、付き添う保護者の交通費も対象として認められます。

対象外になるもの
自家用車で通院した際のガソリン代、高速道路料金、コインパーキングなどの駐車場代。これらは療養への直接的な費用とはみなされないため、控除の対象外です。

タクシー代の扱い
原則として対象外ですが、歩行困難により公共交通機関を利用することが現実的に不可能な場合など、やむえない事情がある場合は認められます。

※電車やバスなどの公共交通機関では領収書が発行されないことがほとんどです。
その場合は、通院した「日付」「乗車区間(駅からげん)」「往復の料金」をメモしておくか、交通系ICカードの利用履歴を印字して残しておくことで、証明書類として使用できます。

 

まとめ

矯正治療は医療費控除の対象になる?申請できる条件と手続きの方法を解説

矯正治療における医療費控除の適用については、治療を行う目的が「見た目を整えるための審美的なもの」なのか、「噛み合わせや発音などの障害を改善するための医療上必要なもの」なのかという点が重要な判断基準となります。
成人の矯正治療で医療費控除の対象になるかどうか、あるいは診断書の発行が可能かどうかについては、個々の口腔内の状態によって異なります。
まずは矯正治療を専門とする歯科医院に足を運び、ご自身の噛み合わせや歯並びの現状について詳しい検査と診断を受けてみてはいかがでしょうか。

 



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交通アクセス
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